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10月8日、感動するニュースが飛び込みました。京都大学 山中伸弥教授のノーベル医学・生理学賞受賞のニュースです。大きく報道でも取り上げられたので、ご存知の方も多いと思いますが、あらゆる細胞に分化する能力があるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発し、患者自身の細胞を移植して病気やけがを治療する「再生医療」への道を開いた功績が評価されました。

山中伸弥教授のノーベル医学・生理学賞受賞のニュース

日本人のノーベル賞受賞は2年ぶりで、米国籍の南部陽一郎氏を含めると19人目。医学・生理学賞は1987年の利根川進氏以来2人目の快挙で、日本人医師としては、初めての受賞となります。私は、日本人として、そして同じ医師として、山中教授の受賞をとても誇りに感じました。

幼少の頃はスポーツ少年で、足の指や鼻などを10回以上骨折した経験から整形外科医をめざされた山中教授は、研修医時代には不器用で整形外科には向いていないと臨床医の夢を諦め、基礎研究の道に方向転換したとのことです。このエピソードには、謙遜も含まれていると思いますが、このお話を伺いながら、山中教授は医師として高い使命感をもっておられるのではないかと感じました。臨床医としての限界を感じ、とても悩まれ、その上、あえて研究を通じて患者さんに貢献する道を選択されたと思うからです。私も大学病院時代に臨床医として働きながら、基礎研究を行っていましたが、医師が取り組む研究なのだから、将来的に患者さんのために、治療の進歩に貢献しなければならない、と常に考えていました。山中教授のiPS細胞細胞の開発は、まさに難病をかかえる患者さんに大きな光を与えています。

雑誌に掲載された私の研究論文

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