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審査員長講評 東邦大学医学部教授 長谷川友紀先生

第13回 TQM活動発表セミナー

全体の講評をさせていただきます。皆さん、本当にストーリのまとめ方や発表の仕方とかが上手くなってきたように感じました。年々レベルが上がってきていることに、関心しました。では講評をいくつか、お話ししたいと思います。
一つ目です。今回のご発表のうち、ほとんどのチームが問題解決型であり、3チームが課題達成型でした。PDCAとよく言いますが、やっぱりP(問題点を発見する)が一番難しいと思います。印象だけではダメで、みんなを説得し、納得してもらってチームで解決する。だから数値化などが必要です。そのPを重視するのが問題解決型です。それに対して課題達成型は、問題は誰が見てもはっきりしているので、なんとかしなければいけないということです。制限もはっきりしています。「介護老人保健施設しおさい」のご発表は、介護報酬の改定というはっきりした課題を達成していく課題達成型でした。達成すべき課題ははっきりしていますので、いくつかの手法を出して、それぞれのプラスとマイナスを考えながら、制限因子(時間など)のもとで達成に向けて取り組みを行っておられました。そのようなことがしっかりとわかるご発表であったと思います。

二つ目は、TQMですのでやはり風通しをよくするという意味でも多職種でやっていただくとよろしいかと思います。そう言った意味では本当に僅差だったんですが、三番を争われたチームがあります。大崎ひまわり訪問看護ステーションなんです。残念でした。施設から訪問系。地域包括ケアというのは在宅が基本なんです。そんな中での新しい試みでした。事故の防止と言うとことで相手の家に踏み込んで、安全策をとるという取り組みでした。取り組みはよし。ただ、ちょっと問題なのは、一つは職種がちょっと偏っておられたかなと思います。本当に僅差で賞をのがされました。次回は、ぜひ頑張っていただきたと思います。

三つ目は、審査員みんなが納得して感動することが大切です。そのためにはやはりストーリーが大事です。そしてポジティブな形で達成感が見えることが重要だと思います。

四つ目は、質疑応答です。質疑応答は通常の発表ラインでは話すことができない内容を、質問を機会に話すことができるチャンスでもあります。今回はうまくいかなかったチームもありましたが、質問を想定してきちんと答えを準備をして欲しいと思います。そのような準備ができるというのもチームの力だと思います。

健育会のモットーは学んで改善することだと感じています。そのためには何事も普段からポジティブに考えなければいけませんし、自分の気持ちを明るくしていくことが大切です。そうするとよりいい結果を得られるし、学ぶチャンスも出てきます。ですから発表の場もそのようなチャンスと捉えて楽しんでいただけると非常に良いと思います。本日は皆さんの発表を楽しまさせていただきました。どうもありがとうございました。