『支える医療とは「寿命と戦わない、生活を支える医療」「キュア(治療)よりもケア(介護・生活)を支える医療」であると言える。ケアを充実させると少ない医療資源でキュアが機能する。ではそのような中、医療の主役は誰か。住民であり看護師である。健康は病院に行って守るものではない。病気の人が仕方なく行くのが病院であり、予防接種や健康診断の受診率が高く、健康意識の高い人たちが長生きする。もちろん、主役は住民。住民の健康に対する意識の高さがとても大切。そして啓蒙や予防医療の中心を担うのが看護師。私たちの病院では、看護師が医療判断までし、医師にそれで正しいかの了解をあおぐ。医者がなんでもやってしまうのではなく、任せると言うことも大切である。』
今回の看護・リハビリテーション研究会でも論理的・統計的な視点から日常業務・取り組みを見直しており、このような研究活動も看護師・セラピストの能力の底上げに、そして健育会グループが提供する医療の底上げなると考えて実施しているため、「看護師が医療判断まで行える」「看護師に任せる」というお話も心に残りました。
夕張市は、高齢者率が40%ほどで、これは政府が発表した2050年の日本の高齢者率と近い数字です。ある意味「40年後の日本の縮図」にもなる夕張市で、村上先生の活動を通じて予防医療と在宅医療をひろげることで、医療費が減りし、自分達の健康は自分たちに任せるという住民が増えて来ているという事実は、非常に励まされることです。
健育会グループの目指す「質の高い医療」は、高度先端医療を実現する病院ではなく、患者さん一人ひとりの尊厳を尊重し、信頼性の高い医療技術に加え、安心して委ねられる医療・介護、生きる喜びと明日への力を満たす生活活性化、生活を豊かにするホスピタリティという4つの機能を、一人ひとりの患者さんのニーズ に合わせて適切に提供することだと考えており、それは村上先生のお考えとも重なる部分が多くあります。健育会グループでは、国公立の病院とは違った角度で、民間にできること、民間にしかできないことを追求し、のミッションである「光り輝く民間病院グループ」をより高い次元で実現していきたいと考えています。