Vol.183第13回 チーム医療症例検討会 in 西伊豆

医療法人社団 健育会 理事長竹川 節男

vol183 第13回 チーム医療症例検討会 in 西伊豆

2018年6月23日(土)「第13回 チーム医療症例検討会」は西伊豆健育会病院が幹事となり、西伊豆クリスタルビューホテルにて開催されました。今年は各病院・施設から約150名の職員が西伊豆に集いました。

まずはじめに、私から参加している職員に向けて、開会の挨拶として以下の話をしました。

健育会グループのチーム症例検討会も13回目を迎えました。健育会グループの中で、最も歴史ある発表会です。今年は、京都府立医科大学附属病院 太田 凡先生に教育講演を賜った後、症例発表が行われます。介護部門は「キラキラ介護賞」を受賞した症例、病院は「ミラクル賞」を受賞した症例となっており、いずれも私自身が各病院・施設から上がってくる症例の候補をみて、素晴らしいチームワークによって成功した事例であると感じて選出した症例です。

さて現在、日本の平均寿命は世界最高水準になりますが、平均寿命と健康寿命との差が約10年あります。ピンピンコロリと亡くなる方もいらっしゃる一方で、人生の最期を10年以上寝たきりで過ごす方もいらっしゃいます。もしその10年がその人らしい生活ができない状況であるならば、ご本人にとってもご家族にとっても、大変辛いものになってしまうでしょう。そして国にとっても、医療費や介護費が膨大なものになってしまいます。私はこの平均寿命と健康寿命の間に10年もの違いがあるという現状を、国と我々が知恵を出し合って改善していかなければならないと考えています。病院は治療をして、ただ命を長く伸ばすためだけの施設ではありません。治療をし、元気になっていただき、なんとか歩いて自宅に戻れるようにするのが病院です。そしてケアを通じて、その人がその人らしくキラキラとした1日を生きることを支援するのが介護施設です。

それを実現するには、一人の力では限界があります。目の前の患者さん・ご利用者の情報を、関わるスタッフ全員で共有して、その中で自分の役割をしっかりと果たし、チームワークの力を発揮できた時、患者さん・ご利用者はその人の尊厳を取り戻すことができます。今日は、そのような成功事例が19演題発表されます。そのすべての事例において、自分が関わっているというつもりで真剣に聞き、成功例のノウハウを自分のものとして、しっかりと持ち帰って欲しいと思います。