救急医療を扱う上で極めて重要となるのが、心肺蘇生スキルの獲得です。救急医療を受け入れていれば、おのずとその必要性を強く感じる場面が多くなります。しかし、心肺蘇生スキルは、救急医療を受け入れている病院の医師や看護師だけが習得していれば良いというものではありません。
心肺蘇生のスキルは、人の命を扱う医療従事者であるならば、理学療法士や管理栄養士など、どの分野の職員であっても、全員が習得すべき必須の技術です。
かつて、勤務時間外に街中で倒れた方に遭遇し、緊急措置をおこなって表彰された職員もいました。いつ、どのような状況であっても、倒れた方を目にしたら反射的に蘇生処置ができる人材の集まりであることが、健育会グループのポリシーであり、全職員の使命なのです。

健育会グループでは、全職員が医療人としての自覚を持つべく、いかなる状況においても突然の心停止に対応し、蘇生の手順を習得できる取り組みをおこなっています。
6月7日(土)には、湘南慶育病院にて、日本救急医学会認定のICLS研修をおこないました。ICLS研修とは、Immediate Cardiac Life Supportのことで突然の心停止に対して、最初の10分間のチーム蘇生を習得するための研修です。
今回の研修は、石川島記念病院の岩塚邦生先生がICLSの講師であることと、すでにICLSのインストラクターの資格を持っている西伊豆健育会病院4名の看護師のみなさんの支援により実現しました。

当日は、湘南慶育病院、竹川病院、熱川温泉病院、石巻健育会病院、石川島記念病院より、 合計12名(看護師10名、理学療法士2名)が参加しました。座学に始まり、実際の心停止の場面に近い状況設定を元に、何度も心肺蘇生のシミュレーションを実技でおこないました。朝9時~夕方5時半まで充実した研修となり、参加者のみなさんは研修の終わりには、多少の疲労もありながらも自信を持った表情に変わっていました。