スマートフォン導入とあわせて、職員間の情報共有を促進させるツールとして、「LINE WORKS」を導入しました。その効果としては、会議資料の印刷・配布時間が69〜76%削減され、印刷代も14〜50%の削減が見られました。これは業務効率化とコスト削減に大きく貢献していることを示しています。また、申し送りの回数が35〜40%、時間も30〜64%削減されました。
一方で、病院では情報伝達や情報共有の不足によるインシデントが23%増加していました。「LINE WORKS」によって情報共有が手軽になったことで、良い意味で誤解や見落としが発見しやすくなっている可能性が考えられます。
スマートフォンとナースコールの連動に関しては、ナースコールに対応するまでの時間が39〜57%減少し、コールから病室への訪問までの時間は病院で70%の減少が確認されました。ナースコール後、すぐに看護師が駆けつけることは、患者さんに強い安心感をもたらします。この対応時間の短縮は、患者満足度の向上に大きく貢献しているといえるでしょう。
介護施設では、見守りシステム「眠りスキャン」や「aams」の導入により、転倒・転落などの事故が21%減少しており、医療の質の向上にも寄与していることがわかりました。
さらに、DX化を進めたことで、残業時間が3〜19%削減されました。また、感謝の気持ちを伝え合う機会も増え、「サンキューカード」の発信件数は89〜133%も増加し、コミュニケーションの活性化による職場環境の改善も見られました。
病院では、「Ubie」や「メディカルクリップ」といった特定のDXツールを導入したことで、退院サマリーの作成時間が38%短縮され、入院時の説明時間も46%短縮されるという数値が出ています。

以上の検証から、DX化は業務効率化や経費削減、患者満足度や職場環境の改善など多岐にわたって一定以上の効果が期待できることが明らかになりました。今後も引き続き、この度検証した指標をベースにDX導入のデータをとり、指標の見直しもおこないながら、その効果を検証していきたいと考えています。
健育会グループは今後も、DX化によるさらなる業務改善を継続し、知恵と工夫を凝らして効率的で質の高い医療を提供できるよう邁進してまります。