Vol.282 竹川病院 原田新院長と対談しました

竹川理事長その通りだと思います。高齢者の方や認知症の方ほど感性が鋭く、「自分のことを見てくれているか」を肌で感じています。今年から掲げている「愛情を持って親身な対応」というスローガンも、職員の皆さんが光り輝いて、やさしい眼差しで患者さんをしっかり見守れるようになってほしいという思いで打ち出しました。これは70周年を迎えた我々の課題でもあります。原田先生とはしっかり意見が一致していますから、全てをお任せして病院理念を実践していただけると改めて実感しました。

原田院長ありがとうございます。実践できるよう努めていきます。

竹川理事長原田先生は脳外科がご専門ですね。脳外科や脳神経内科には本当に優秀な人材が多く、とても尊敬しています。私の専門は消化器内科ですが、脳外科とは真逆だなと医学生時代から思っていました。

原田院長とんでもないです。脳外科は手術での技術や職人技的な部分が大きく、学問的な高尚さでいえば、同じ脳でも脳神経内科や精神科の方が格は上だと思います。

竹川理事長とはいえ、医者に格の差なんてないですけれどね。

原田院長脳外科と消化器内科といえば、私はここ数年、脳腸相関に興味を持っています。ストレスなど脳で起こる様々なイベントが腸に影響を及ぼしたり、消化管ホルモンが脳への信号の役割を果たしたりと、脳と腸は密接に影響しあっています。さらに腸をはじめとした臓器は体の中でも皮膚に匹敵するほど体積が多く、脳と比べても何倍もありますから、とても大事な存在だと改めて思うようになりました。腸には免疫細胞も多く集まっていますし。脳と腸は同じような働きをしていると思うととても面白いですよね。

竹川理事長私も医学生時代に、指導教官だった消化器内科の土屋雅春教授から、腸管には多くのリンパ節が存在し、自律神経と深く関係して微少循環を司っているということを教わりました。学問的にも原田先生と一致するところがあって嬉しいです。