Vol.289 自律神経と幸せホルモンについて、講演を行いました

一般的に、朝は交感神経が活性化されて活動をはじめ、夜になると副交感神経が活性化されてリラックスするという状態になります。この2つの神経がバランスをとることで1日の体のリズムが保たれています。これらの自律神経は非常に敏感で、バランスが崩れやすいため、注意が必要です。もしも自律神経のバランスが乱れてしまうと、体の不調や精神の不調など、さまざまな不調を招いて病気を引き起こすこともあります。

症状としては、不眠、イライラ、頭痛、集中力の低下、眼精疲労、耳鳴り、首こりや肩こり、動悸、吐き気、食欲不振などがあります。ひどくなると三半規管に不調が起きてめまいも起こり、口が渇くなどの症状が出てきます。これは自律神経だけでなく、ストレスから副腎コルチゾールというものが出て起こります。
症状の中でも一番多いのは下痢です。腸管にはリンパ節があり、自律神経が網の目のように走っているため、腸の不調が一番先に起こります。逆に腸の不調から自律神経の乱れが起こることもありますので、腸の管理が大事です。
女性の場合は、頻尿、手足の痺れ、ほてり、多汗などいわゆる更年期のような症状が起こる場合があります。実際、更年期は自律神経の乱れによって起こる症状と言われています。

自律神経が乱れる要因には、外的なものと内的なものがあります。外的な要因は一般的にストレス。自分にとって好ましくない環境や嫌な考えなどが原因になります。さらに気圧の変化でも自律神経のバランスは崩れます。自律神経は気圧の変化に敏感で、低気圧がくる日や前日に頭痛がするという女性も多いのもこのためです。
また、病気によって自律神経のバランスが崩れたり、更年期障害でホルモンのバランスが崩れることで自律神経のバランスが乱れることもあります。

そして、内的要因で重要なのが感情です。自律神経は、感情の起伏によって大きく乱れます。感情ホルモンと呼ばれる三大神経伝達物質、ノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニンは、自律神経と密接な関係があり、感情の起伏によって3つのホルモンの分泌バランスが崩れると、自律神経のバランスも崩れて体の調子が悪くなります。それによって、さらに3つのホルモンバランスが崩れて悪循環が生まれてしまうのです。

この中でも直接自律神経に関係のあるホルモンが、ノルアドレナリンです。ノルアドレナリンは、環境の変化・激しい運動などで負荷がかかると交感神経が活発に働いて分泌されます。緊張や不安を感じるほか、いい意味で集中力や積極性をもたらす効果もあるので、ある程度の分泌も必要です。