Vol.289 自律神経と幸せホルモンについて、講演を行いました

2つ目のドーパミンは、人は欲求が満たされると快感を感じますが、その快感が刺激になって脳から直接分泌されます。ドーパミンが出ると「よし!またやろう」とやる気を生じさせ、幸せな気分をもたらします。逆に不足すると、無関心を引き起こします。
ドーパミンは、体を動かす、好きな音楽を聴く、人に褒められるなどによって分泌されます。分泌が過剰になると過食症、アルコール依存症、ギャンブル依存症になるとも言われていますが、このメカニズムには不明な点も多く、詳しくは申し上げられません。

そして、ノルアドレナリンとドーパミンをコントロールしているのが、セロトニンです。セロトニンは、生体リズム、睡眠、体温調節、食欲を司っているホルモンで、ドーパミンやノルアドレナリンの行き過ぎた分泌を抑制し、精神を安定させる働きがあります。
セロトニンの分泌が不足すると、ホルモンのコントロールが不安定になって攻撃性が高まったり、不安やうつ、パニック障害などの精神状態を引き起こすと言われています。
セロトニンは、バランスをとるホルモンなので、いかに分泌させるかが大事。ノルアドレナリンが適度に分泌されて、ドーパミン、セロトニンがいっぱい出ているのが理想の状態と言えるでしょう。

最近、うつ病について多くの報道があります。今から10年前頃にうつ状態を改善させるセロトニンに関連する薬が発売され、うつ病に高い効果があると報道されました。しかし、うつ状態の患者さんに安易にうつ病のコントロールの薬を投与すると、本当のうつ病になると疑問の声が上がりました。
学会発表では、セロトニンに関連する抗不安薬ができたことで、本当のうつ病を作ってしまったのでは?という報道も出ました。ですから、うつ状態になってもすぐに「自分はうつ病だ」とは思わないでください。安易に精神科に行って薬を飲むのもお勧めできません。まずは専門家のカウンセリングを受けることを勧めます。

このセロトニンと関係しているのが、サーカディアンリズム(概日リズム)です。体内時計の働きに深い関わりがあり、朝起きて明るい光を浴びることによってサーカディアンリズムが整うことがわかっています。サーカディアンリズムが正しいと、睡眠をサポートするメラトニンが分泌されて夜になると眠くなります。
セロトニンの分泌には、朝起きて太陽の光を浴びて、夜になったら眠るというサーカディアンのリズムを守ることが大切です。感情の起伏をなるべく少なくして幸せな気分を維持できるようになりますので、うつ状態を感じたらぜひ実践してみてください。