多くの病院や施設がある中から、私たち健育会グループを選んでくださり、ありがとうございます。末永く共に働いていけたら嬉しく思います。
皆さんは4月から入職し、すでにそれぞれの病院、施設でオリエンテーションを受け、様々な話を聞いてきたかと思います。
本日は社会人、医療人としての心得について改めて総括をしていきます。
そして、皆さんが仕事に慣れてきた半年後に、再び私が話をする場を設けます。その際は、健育会グループがどのような考えを持ち、どういった社会貢献をしているのか、といった特殊性について話をする予定です。

本日はまず、一般的な医療、介護に携わる社会人としての心得について話します。
私から皆さんにお伝えしたいことが3つあります。この3つだけは必ず守るようにしてください。
1つ目は「社会人としての責任」についてです。
皆さんは社会人になり、自身の行動に対して責任を取らなくてはならない立場となりました。責任から逃れるような態度を取っては、法的に罰せられることもあります。
しかし皆さんは、まだ社会人になったばかりで全ての責任を取ることは難しい状態です。
今の皆さんにできることは「できないこと」を曖昧にしないことです。
「できない」と判断した場合は、しっかりと「まだ新人なので、できません。上司に相談して参ります」と患者さんやご利用者に明言するようにしてください。そしてすぐに、上司に報告することを徹底してください。
その場限りの曖昧なことを言ってはいけません。そういった不明瞭な対応が、後々大きな問題に発展していきます。
「自分にできないことは、できないと相手に伝える」「すぐに上司に報告する」この2つが今の皆さんに課せられた責任です。必ず守るようにしてください。
些細なすれ違いや認識のずれが、患者さんの命を奪う可能性にもつながります。
「うっかりしていました」「忘れていました」という発想は、医療業界では通用しません。
自分たちは人の命に携わる、厳しい職業に従事しているという自覚を持ってください。

次に皆さんに守ってもらいたいことは「チームワーク」です。
健育会グループは「Our Team」という標語を掲げています。全職員参加型の経営をしていく、というものです。
健育会グループは、職員全員で協力し合いながら経営を行っています。
自分が所属する病棟のことだけではなく、別の病棟や施設の経営についても全職員が考え、より良い方向へ導いていく体制を取っています。
全員が網の目のようになって病院の経営を支え、患者さんやご利用者に質の高い医療、介護を提供しています。
この「Our Team」経営は、チームワークがあってこそ成り立ちます。チームワークを高めるために必要なことは、情報の共有です。伝えるべき人に情報を伝えることが重要になってきます。
1つ目の話にもあったように「できないことを上司に報告する」ことも情報共有のひとつです。
また、規律正しい行動をし、就業規則を守ることもチームワークの中では大切です。
例えば、体調不良の際には就業規則に則って報告をしてください。当たり前のように思うことを、当たり前のように行うことが、チームワークでは欠かせません。
報告をし、情報共有をして規則正しいルールの中でチームワークを育む行動をしていれば、皆さんは「規律正しい医療人」に成長していきます。
「規則」と「規律」は似ているようで異なります。「規則」を守るだけでは「規律正しい医療人」とは言えません。「規律正しい医療人」には「使命感」があります。
皆さんに守ってもらいたいことの最後のひとつは、この「使命感」についてです。
規則を守って働くと同時に、医療、介護に携わる者としての「使命感」を育ててください。