
僕は22歳から49歳までの27年間、プロのバスケットボール選手として活動してきました。2011年には「レバンガ北海道」というクラブチームを設立しました。当時40歳だった僕は、選手と経営者の両方を兼任していました。
当時の経営状況は非常に厳しく、スポンサーもなかなか集まらず、従業員も少ない苦しい時期が続いていました。
そんな時に手を差し伸べてくれたのが竹川理事長です。たまたま僕の特集が組まれたNHKの番組をご覧になり、お声がけくださいました。
竹川理事長は「東日本大震災で被災した際に、北海道の方々から温かいご支援をいただいた。その恩返しがしたい」と言って「レバンガ北海道」を支援してくださいました。
当時は、健育会グループの花川病院を含め、スポンサーは3社、従業員は私を含めてわずか3名という状況でした。しかし、14年経った今、スポンサーは400社を超え、直近の平均観客動員数は6,300人、従業員も40名まで増えました。設立当初からずっと応援してくださった竹川理事長には、感謝の念しかありません。竹川理事長が手を差し伸べてくださらなければ、このクラブチームは存在しなかったでしょう。
僕は、日本一を3回獲得し、日本代表としても10年以上の経験を積み、数々の記録を打ち立ててきました。「何か特別なことをしているのですか」とよく尋ねられますが、特別なことは何もしていません。「当たり前のことを当たり前にしてきた」ただそれだけです。
当たり前のことをせずに、特別なことを成し遂げることはできません。「努力すること」「頑張ること」は、当然のことなのです。
スポーツ業界は非常に厳しい世界です。プロの選手は結果が全てです。結果を出せなければ、選手生命はすぐに絶たれてしまいます。
華やかな世界に見えますが、常に結果を求められる、非常にシビアな世界なのです。
技術がなければ、年齢とともにパフォーマンスが低下すれば、成果を出せなければ、容赦なく淘汰されます。当たり前のように努力を重ねなければ、生き残ることはできません。
このような努力を、誰かに強制されて行うようでは、プロフェッショナルとは言えないでしょう。結果を出さなければ生き残れない、そのような厳しい世界でがむしゃらに戦うのがプロフェッショナルです。
さらに僕は、プロフェッショナルとは、誰かに価値を提供する存在であると考えています。例えば、選手であれば、チケットを購入してくれたファンの方々に最高のパフォーマンスを披露することが、価値の提供にあたります。
皆さんは、医療、介護のプロフェッショナルです。患者さんやご利用者に価値を提供しなければならないという立場であることを、強く自覚してください。
