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2018年3月14日、厚生労働省から「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」が公表されました。これは、2007年に策定されたガイドラインの改訂版となっています。この内容を読み、改めて健育会グループにおける「人生の最終段階の医療・ケア」について考えました。

私は常々、日本の社会が抱えている問題として、平均寿命と健康寿命に差があり、この差が生み出す様々な問題を解決していかなければいけないと公言しています。そのためには、もちろん健康寿命を延ばすことが第一ですが、同時に世界一と言われる日本のこの高い平均寿命がご本人にとって本当に幸せな寿命なのか?ということも考える必要があります。

2016年時点の平均寿命と健康寿命

2016年時点の平均寿命と健康寿命

平均寿命:厚生労働省2017年7月27日公表「2016年簡易生命表」より
健康寿命:厚生労働省2018年3月9日公表の数値より

平均寿命と健康寿命の差が大きくなってしまう要因の一つに、治る見込みのない患者さんに行なってしまう「無意味な延命治療」があります。人生の最終段階にある患者さんに専門的治療をしても助からない場合もありますし、高度な医療を施すことがご本人の苦痛につながることもあります。また意識が戻らずに植物状態となってしまい、大きな心労と経済的負担がご家族にのしかかってくるということも十分に考えられます。

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